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自分と向き合うということ

新潟県長岡市 アパレル衣類修整のプロ集団 山田修整有限会社
NHKドラマ「デフ・ヴォイス」

新潟県長岡市のアパレル衣類修整のプロ集団、山田修整有限会社社長の吉田です。「衣料品修整」=納品トラブル解決をサポートする経営者の立場から考えることを中心に書き留めています。

 

2月11日の午後、何気なくテレビをつけたら草彅剛主演のドラマ「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」後編の再放送があり、観はじめたら引き込まれてしまい、結局最後まで観てしまいました。自分自身が幼少時から片耳難聴だったこともあり、余計に感情移入したのかもしれません。

 

 

ドラマを観終わってから調べてみて初めて知ったことがいくつかあります。

 

 

ひとつは、「デフ・ヴォイス」という言葉

これは英語の「Deaf Voice」が語源で、日本語では「ろう者の声」(手話や筆談、音声認識など、ろう者が発する「声」)を意味するそうです。このドラマタイトルには、ろう者に限らず、多数派の前で声を上げにくい社会的少数者の声という意味も込められていることも知りました。

 

 

ひとつは、「CODA(コーダ)(Children of Deaf Adults)」という言葉

「親のどちらか、あるいは両方がきこえない・きこえにくい」という境遇にある耳がきこえる子どもたちは「CODA」と(コーダ)呼ばれ、国内には、およそ2万2000人いるという推計があることを知りました。

 

ひとつは、片耳難聴者の当事者コミュニティ「きこいろ」があること

「きこいろ」は、日本で初めての片耳難聴を持つ人の当事者組織で、聞こえの多様性に優しく、人の多様性に寛容な社会であることを願って2019年1月より活動を始め、2019年夏、当事者コミュニティとして任意団体化されたそうです。

 

片方の耳が高度の難聴である状態を「一側ろう」(一側性難聴)と言います。 あまり聞きなれない病名だと思いますが、実は500〜1000人に1人という比較的高い頻度で起こると言われています。

 

もう一方の耳は正常に聞こえるため症状が目立ちにくいこと、片耳は正常に聞こえいつも困るわけではないので身体障害者福祉法の定めた「身体障害者」の基準に基本的には該当せず、公的支援のほとんどを受けることができないなどの特徴があります。困っていることが理解されにくい障害のひとつです。

 

わたし自身の人生を振り返ったときに、性格や人づきあいや職業選択に片耳難聴が大きく影響していると感じていますが、同じような境遇にある人が結構存在することや、そういった人との交流の場ができていることは知りませんでした。

 

50歳を過ぎて、残された右耳の聴力の低下も自覚するようになり、補聴器を試したりするようにもなっていますし、生死に直結するわけではないので仰々しく受け取られるのも嫌ですが、私自身もそれなりの生きづらさや不安を常に抱えていることをこのドラマを観てあらためて実感しました。

 

自分と向き合うことは、同時に家族や会社経営や社会と向き合うことでもあります。より積極的な人生、より前向きな会社経営・社会貢献に向かうためにも、小さな一歩ですが、同じような境遇にある人たちとの交流にチャレンジしてみようと思いました。