新潟県長岡市の衣類修整のプロ集団、山田修整有限会社社長の吉田です。「衣料品修整」=納品トラブル解決をサポートする経営者の立場から考えることを中心に書き留めています。
日本社会における経営者像は、時代とともに変化してきました。特性理論や行動理論などのリーダーシップ理論の変遷を見ると、経営者に求められる資質や行動も多様化してきたことがわかります。例えば、戦後の高度成長期には、カリスマ的なリーダーシップが重視されましたが、バブル崩壊後の不況期には、変革型や倫理型のリーダーシップが注目されました。また、コロナ禍を経て求められる経営者像にも変化が生じています。
私自身、経営者として自分にフィットしたリーダーシップを試行錯誤している最中なので、リーダーシップ論には興味がありますが、現状、次のようなポイントを押さえる必要があると考えられます。
1)グローバル化やデジタル化の影響による経営環境の複雑化・多様化・不確実化
このような状況下では、経営者は自分一人で全てを達成することは困難です。ワンマン経営でリードするカリスマ型の強いリーダーシップではなく、調整しながらまとめ上げていくリーダーシップが求められます。
2)組織の変化に対応する能力や柔軟性の重要性
アジャイル・リーダーシップという考え方が注目されています。アジャイル・リーダーシップとは、不確実な環境において、迅速に学び、適応し、イノベーションを生み出すリーダーシップです。アジャイル・リーダーは、自分自身や組織の強みや弱みを把握し、目標や戦略を明確にし、チームの協働や自律を促進し、フィードバックや評価を行います。
3)ますます求められる社会的責任感と公共性
ステークホルダー・リーダーシップという考え方が見直されています。ステークホルダー・リーダーシップとは、組織の利害関係者であるステークホルダー(顧客・社員・株主・地域社会など)のニーズや期待に応えることを目的とするリーダーシップです。ステークホルダー・リーダーは、ステークホルダーとの対話や信頼関係を重視し、価値観や利益の調整を行い、持続可能な組織や社会の創造に貢献します。
4)再認識される人間性と感情の重要性
オーセンティック・リーダーシップという考え方が再注目されています。オーセンティック・リーダーシップとは、自分自身の価値観や信念に基づいて行動し、他者と真摯に関わるリーダーシップです。オーセンティック・リーダーは、自己認識や自己規制の能力を持ち、透明性や一貫性を示し、他者の多様性や発展を尊重し、正直さや信頼性を高めます。
さまざまな情報が飛び交い、それぞれ一理あります。しかし、最終的に問われるのは「ではあなたはどうするか?」という問いに自分なりの答えを出して行動すること。
今の私が考えるリーダーシップの本質は、「自分自身の価値観に基づいて、他者とのコミュニケーションや協働を深めながら、組織や社会の発展に持続的に貢献するビジョンや目標に向かって行動し続けること」です。自らの言葉で自信を持って語れる等身大のリーダーシップを身に着けられるよう学び続けます。