新潟県長岡市の衣類修整のプロ集団、山田修整有限会社社長の吉田です。「衣料品修整」=納品トラブル解決をサポートする経営者の立場から考えることを中心に書き留めています。
わたしが社会人になった昭和から平成の切り替わりの頃、中小企業の経営者は「朝令暮改」が当たり前、むしろ意思決定のスピードや柔軟性を示すものとされていました。経営者という立場になって、この考え方に時代の変化があるのかどうか? あらためて考えてみました。
中小企業の経営者は、外部環境や競合の動きに素早く対応するため、時には一度決めた方針を変更することがあります。これが「朝令暮改」と呼ばれるものですが、必ずしも否定的な意味ではありません。むしろ、経営者の意思決定のスピードや柔軟性を示すものとして評価されることもあります。
しかし、このような考え方にも時代の変化があります。
近年では、中小企業の経営者にも、経営計画やビジョンを明確にし、社員や顧客と共有することが求められています。経営計画は、将来的に会社がなりたい姿をゴールとして見据えて、そこから逆算する形で、直近5年間の目標や施策を描いたものですが、経営計画を作成することで、経営者は自社の強みや弱みを把握し、市場や競合の動向に応じて適切な軌道修正を行うことができます。
このような経営計画に結びついた朝令暮改であれば、中小企業経営者は躊躇することなく実行していってよいと思いますし、昔も今も変わらない肯定的なポイントだと思います。しかし、闇雲に言った事をコロコロと変えているだけでは組織の混乱を増すだけで、軌道修正どころの話ではありません。
現在でも、中小企業経営者に「朝令暮改」が多いと感じる方もいるかもしれませんが、それは必ずしも悪いことではありません。特にここ数年に渡ったコロナ禍においては、「朝令暮改」=「正解のない部分で試行錯誤しながら次々と対策を打つ」という意味で、むしろプラスの面が目立っているかもしれません。
いずれにしても、その「朝令暮改」に、1)ちゃんとした理由や根拠があるかどうか、2)その理由や根拠を社員や顧客と共有しているかどうか、が重要です。
我が身に置き換えると、まだまだ伸びしろがある分野なので、悪い意味の「朝令暮改」ではなく、良い意味の「朝令暮改」を実践し、自社の適応力や創造力を高めていきたいと思います。