· 

【修整豆知識】消臭繊維

こんにちは。新潟県長岡市の衣類修整のプロ集団、山田修整です。

 

わたしたち山田修整有限会社は、繊維の産地だった新潟県長岡市(旧栃尾市)で創業して57年。織物・ニット商品の製造工程に関連するトラブルに対処して商品を生かすことに日々全力を尽くしています。「修整」は、そのままでは納品不可とされる「B品」をなんとか生かそうとする仕事です。

 

今回は、【修整豆知識】消臭繊維についてご紹介します。

新潟県長岡市 衣類修整のプロ集団 山田修整有限会社
消臭繊維は、吸収、吸着、中和、分解などによって臭いを消す機能を備えています

消臭繊維

アンモニア(汗,尿)硫化水素(卵の腐敗臭)トリメチルアミン(魚の腐敗臭)メチルメルカプタン(玉ねぎの腐敗臭)4大悪臭といわれ、これに加えて、たばこの臭いが生活の中で嫌悪感をもたれる臭いです。たばこの臭いの成分は、4000種類以上ともいわれますが、ニコチン、アルデヒド、酢酸、アンモニアなどが主成分です。

 

消臭繊維は、これらの臭いを吸収吸着中和分解などにより消す機能を付与した繊維です。

 

酸化作用によるものとしては、金属フタロシアニンが生体内の酸化酵素の活性中心と化学構造が類似していることに着目し、繊維表面にFe(Ⅲ)ーフタロシアニン誘導体を固定する方法があります。この方法はバイオミメティックス(生体模倣)消臭法と呼ばれ、メルカプタン、硫化水素など閾値(においの有無を感じられる量)の低い悪臭成分を酸化作用により有効に消臭します。

 

中和反応によるものとしては、カルボキシル基を繊維にグラフト重合しアンモニアやトリメチルアミンと反応するものや、スルホン化剤、アミノ化剤によりそれらの官能基を繊維に導入して、イオン交換作用をもたせるもの、Fe(Ⅱ)ーアスコルビン酸による中和、脱硫などがあります。また、銅、亜鉛などの塩類や有機酸などを練り込んだり、バインダーで固定する方法もとられます。

 

吸着を利用する方法は、活性炭やゼオライト、セラミックス系吸着剤を繊維中に練り込んだりバインダーで固定します。

 

このように消臭法や加工法はいろいろありますが、対象とする臭いによって選択すべきで、すべての臭いに対処することは困難です。また、消臭効果の測定や評価は非常に難しく、人の官能に頼らざるを得ない部分があります。

消臭繊維の用途は、エアコン、空気清浄機などのフィルター、カーテン、カーペットなどのインテリア、寝装品、サニタリー用品、介護用品、ペット用品など大きな市場の展開が期待されています。