· 

【修整豆知識】抗菌・防臭加工

こんにちは。新潟県長岡市の衣類修整のプロ集団、山田修整です。

 

わたしたち山田修整有限会社は、繊維の産地だった新潟県長岡市(旧栃尾市)で創業して57年。織物・ニット商品の製造工程に関連するトラブルに対処して商品を生かすことに日々全力を尽くしています。「修整」は、そのままでは納品不可とされる「B品」をなんとか生かそうとする仕事です。

 

今回は、【修整豆知識】抗菌・防臭加工についてご紹介します。

新潟県長岡市 衣類修整のプロ集団 山田修整有限会社
抗菌・防臭加工は、細菌の増殖を抑制することによって、臭いの発生を防ぎます

抗菌・防臭加工

人間の汗や皮脂などの分泌物が付着した衣料や寝具は微生物が繁殖して不快臭の原因になります。

抗菌・防臭加工は、繊維製品に抗菌剤を付与し、細菌の増殖を抑制することによって、臭いの発生を防ぎます。したがって、水虫の治療や一旦発生した臭いを除去することを目的としたものではありません。

1970年代以前の衛生加工品は有機水銀系や有機スズ系などの殺菌力の強い薬剤を使っていましたが、それらは皮膚障害を起こすことがわかり、1973年に有機物質を含有する家庭用品の規制に関する法律により、加工剤の使用が規制されました。

1980年代になって、消費者の衛生指向の高まりと、安全性の高い殺菌剤の開発によって、再び注目されました。ソックス、ストッキング、肌着、寝装品、エアコン・空気清浄機のフィルターなどに応用され、抗菌加工ブームになりました。

加工法としては、繊維へ練り混む混合紡糸法と、糸や生地の段階での後加工がありますが、後者の方法が多く用いられています。吸収・吸着による後加工では、洗濯の繰返しにより抗菌剤が徐々に脱落し、効果が薄くなる傾向がありますが、有機シリコン第4級アンモニウム塩はシリコン部分(トリメチルシリル基)が繊維状の水酸基と共有結合して、長期間抗菌性を持続できます。

1983年通商産業省の指導で、“繊維製品衛生加工協議会”が発足し、表示用語加工効果効果の耐久性についてのガイドラインを設け、この基準を満たしたものに、“SEKマーク”の表示を認めています。