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【修整用語】紫外線遮蔽繊維(しがいせんしゃへいせんい)

こんにちは。新潟県長岡市の衣類修整のプロ集団、山田修整です。

 

わたしたち山田修整有限会社は、繊維の産地だった新潟県長岡市(旧栃尾市)で創業して57年。織物・ニット商品の製造工程に関連するトラブルに対処して商品を生かすことに日々全力を尽くしています。「修整」は、そのままでは納品不可とされる「B品」をなんとか生かそうとする仕事です。

 

今回は、【修整用語】紫外線遮蔽繊維(しがいせんしゃへいせんい)についてご紹介します。

新潟県長岡市 衣類修整のプロ集団 山田修整有限会社
紫外線遮蔽繊維は、紫外線の悪影響から皮膚を守ります

紫外線遮蔽繊維

成層圏のオゾン層がフロンガスなどのため破壊され、地上に達する紫外線量の増加が報告されて以来、日光皮膚炎、色素沈着、皮膚ガンなどの皮膚障害が危惧され、1990年頃から紫外線遮蔽繊維(UVカット)繊維が市場に出ました。

 

紫外線は200~400㎚の波長の光です。紫外線は更に320~400㎚の長波長紫外線(UV-A)、290~320㎚の中波長紫外線(UV-B)、200~290㎚の短波長紫外線(UV-C)に区分されます。

波長が長いほどエネルギーは大きく、人体に及ぼす影響も大きいのですが、UV-Cはオゾン、水蒸気、二酸化炭素などに吸収され地上へはほとんど到達しません。UB-Bは表皮に作用して炎症を起こします。UV-Aは真皮に作用して、メラニン色素の生成を助長し、シミ、そばかすの原因になります。

紫外線遮蔽繊維は、UV-AとUV-Bを散乱または吸収し、紫外線の悪影響から皮膚を保護することを目的とした繊維です。

 

散乱による紫外線遮蔽繊維は、酸化チタンや酸化亜鉛などの金属酸化物や炭酸カルシウムなどの金属塩をポリマーに練り込みます。繊維と粒子の界面の屈折率の差が大きいほど光の反射が大きくなるので、屈折率が高く、粒子径が小さな粉体ほど効果があります。

吸収による方法は、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの芳香族系有機化合物をポリマーに練りこんだり、後加工で吸収、付着させます。

 

紫外線遮蔽繊維は、シャツ、ブラウス、スポーツウェア、ストッキング、日傘などに使われています。