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【修整豆知識】透湿・防水繊維のヒミツ

こんにちは。新潟県長岡市の衣類修整のプロ集団、山田修整です。

 

わたしたち山田修整有限会社は、繊維の産地だった新潟県長岡市(旧栃尾市)で創業して57年。織物・ニット商品の製造工程に関連するトラブルに対処して商品を生かすことに日々全力を尽くしています。「修整」は、そのままでは納品不可とされる「B品」をなんとか生かそうとする仕事です。

 

今回は、【修整豆知識】透湿・防水繊維のヒミツについてご紹介します。

新潟県長岡市 衣類修整のプロ集団 山田修整有限会社
透湿・防水繊維は、相反する二つの現象を両立させています

透湿・防水繊維(水蒸気を通しても水を通さず)

雨合羽を着ると衣類の中が蒸れてくることがあります。これは、汗が衣服外へ出ていかないために生じる現象です。人間と衣服の間の水の状態を考えると、汗の状態は水滴、蒸発すると水蒸気、さらに細かくなれば水分子となります。

水の状態を大きさごとに分類すると、水蒸気の寸法と水滴の寸法あるいは雨粒の寸法では大きさが異なります

 

透湿とは、水蒸気が布地を通過する性質のことをいいます。

JIS(日本産業規格)でも繊維品質の透湿試験法があり、水蒸気の透湿性を測定することができます。

布地は、繊維の集合体と考えられ、布地内は多くの空気を含んでいます。例えば、繊維一本にも微細な孔があります。また、繊維が集まって糸になりますが、繊維と繊維の間には空間があります。さらに、布地内にも糸と糸の空間があります。

このように、多くの空間から構成され、布地の50%以上は空間で構成されています。水蒸気はこれらの空間と比較すればかなり小さいため、楽に布地を通過していきます。これが透湿機構です。

 

これに反して、防水水を通さない性質です。したがって、透湿と防水は、相反する二つの現象を両立させようとしています。

 

現在市販されている透湿・防水素材は、主にコーティングやラミネートといった表面に加工を施した素材です。

先ほどお話ししたように、水は液体と気体では大きさが異なります。これを利用して、布地の表面に水蒸気が通過できるフィルムを貼り付ければ、布地に溜まった水蒸気はフィルムの孔から外界へ出ていきます。しかし、外界からの水滴などは、大きいため内部に入ることができません。

 

このようにして、水ははじくが水蒸気は逃げていく、蒸れない素材が開発されました。