こんにちは。新潟県長岡市の衣類修整のプロ集団、山田修整です。
わたしたち山田修整有限会社は、繊維の産地だった新潟県長岡市(旧栃尾市)で創業して57年。織物・ニット商品の製造工程に関連するトラブルに対処して商品を生かすことに日々全力を尽くしています。「修整」は、そのままでは納品不可とされる「B品」をなんとか生かそうとする仕事です。
今回は、【修整豆知識】動きやすさとフィット性についてご紹介します。
動きやすさとフィット性
快適な衣服は、温湿感、圧迫感、触覚などの感覚によって作られているといわれています。
温湿感とは、保温性や吸水・吸湿・透湿などのことです。
触覚などの感覚は、肌触りや暖かさ・涼しさなどの風合いのことです。
ここでは、圧迫感を中心に衣服を着た時に感じる動きやすさ、フィット感といった衣服と人のすき間(以下ゆとり)や衣服から受ける圧力(以下衣服圧)についてお話します。
人間は、大きく内蔵、骨、筋肉、皮膚によって構成されます。
衣服を考えるときに気を付ける点は、衣服と人間のすき間をどの程度あければよいかということです。
このすき間をアパレルでは、ゆとりといっています。
ゆとりの量が大きすぎるとダブダブの衣服になってしまいますし、小さすぎると窮屈で着にくい衣服になってしまいます。また、人間は関節があることによって滑らかな動きができます。動作が容易にできるゆとりが必要です。
人間は、間接を動作させたとき13~45%まで、こんなにも伸びているのかと思うほど関節部の皮膚が伸びています。したがって、衣服を作るときは、運動したときの動作環境を考えて、衣服のサイズや形を決めていく必要があります。
人が衣服を着用したとき、衣服と人間の間にどのくらいの圧力がかかっているのかを調べる際には、人と衣服の間に圧力を計測するセンサーを用いることがあります。
衣服圧を計測するセンサーには、歪みゲージを用いるタイプ、液体を袋に詰めて水圧を計測するタイプ、小さく平らな風船を作って空気の圧力を計測するタイプなどがあります。
近年では、腕を曲げたとき、しゃがんだときに、体重や筋肉の差が男性と女性の差として出てくるなど、より正確に衣服の部分的な圧力が測れるようになっています。
フィット性は、物理的な衣服と人体の適合関係のことですが、快適な衣服を考えるときに特に重要になります。衣服の圧力の快適性は個人によって差があり、ある一定の衣服圧が快適であるとはいいにくいことです。
しかし、快適な衣服圧範囲は存在しており、今後より明らかにされていくことでしょう。そして、衣服の形・色・柄などと組み合わせて、快適な衣生活を送ることができる日がくることでしょう。