こんにちは。衣類修整のプロ集団、山田修整です。
わたしたち山田修整有限会社は、繊維の産地だった新潟県長岡市(旧栃尾市)で創業して57年。織物・ニット商品の製造工程に関連するトラブルに対処して商品を生かすことに日々全力を尽くしています。「修整」は、そのままでは納品不可とされる「B品」をなんとか生かそうとする仕事です。
今回は、【修整用語】サキソニーについてご紹介します。
サキソニー(saxony)
もともとは、ドイツ・メリノ種の羊から取った、上質で弾力のある羊毛を指します。その羊毛からは、上質のフェルトや紡毛織物、梳毛織物も作ります。
サキソニーは、ウールの中でも最高級のメリノウールで作られています。縮絨(しゅくじゅう)と呼ばれる仕上げのあとに起毛して、なめらかな光沢を出すメルトン加工が施されている綾織の毛織物です。
綾織とは、「たて糸」「よこ糸」の繊維を一定の規則性でずらして織った生地のことで、「ツイル」とも呼ばれ、代表的な生地にデニム生地やダンガリーなどがあります。
語源は、18世紀にドイツのザクセン(英語でサキソニー)政府が、スペインからメリノ種の羊を輸入して繁殖させ、ドイツ・メリノ種を作ったことからきています。しかし、今では、サキソニー羊毛に限らず、メリノ羊毛で紡出した紡毛糸を使って、2/2のあやか杉あや、よこ二重、たて・よこ二重に織った紡毛織物を指します。
薄手で軽く、柔らかな手触りや、よく見ると斜めに織模様が入っているのが特徴です。サキソニーは秋冬素材のフランネルやメルトンなどともひと味違う独特の高級感があり、艶やかさも備えています。
そのためフォーマルな装いに使われることが多く、スーツにも最適です。適度な保温性もあるので、春先などのまだ少し冷える季節にちょうどいい素材です。