こんにちは。衣類修整のプロ集団、山田修整です。
わたしたち山田修整有限会社は、繊維の産地だった新潟県長岡市(旧栃尾市)で創業して57年。織物・ニット商品の製造工程に関連するトラブルに対処して商品を生かすことに日々全力を尽くしています。「修整」は、そのままでは納品不可とされる「B品」をなんとか生かそうとする仕事です。
今回は、ボイル(voile)についてです。
ボイル(voile)
ボイルとは、撚りの強い糸(ボイル撚り)を使って粗く織った平織物です。織密度が低く、ざっくりとした織目を目視で確認できます。
本来は2本の糸を強く撚り合わせたものを使用していました。1本の糸にボイル撚りをしたものを「単糸ボイル」、2本の糸を撚り合わせたものを「本ボイル」と呼び分けることもあります。
素材は綿・コットンや毛・ウールが一般的ですが、絹・シルク、麻、レーヨンなど幅広い素材が使われます。薄地で、軽くて透けて見えます。
ボイルは透けるほど薄手の生地ですが、強撚の糸を使っていることで、張りとコシがあるのが特徴です。かたくしまったシャリ感やナチュラルな色味もどこか麻を思わせます。
綿ボイルは、80/2~100/2の又糸にインチ間40~44回の逆よりをかけたものをたて・よこに使って平織に織ります。通気性が高いため、清涼感がありサラサラとした手触りです。そのため夏用のブラウスやシャツ、子供服などに使われることが多いです。
薄手で軽い生地がほとんどですが、太い糸で織られたボイルもあります。その場合、透け感は残しつつも肉厚な生地が出来上がります。
またボイルは素材そのものの特徴を引き出しやすいこともポイントです。