こんにちは。衣類修整のプロ集団、山田修整です。
わたしたち山田修整有限会社は、繊維の産地だった新潟県長岡市(旧栃尾市)で創業して57年。織物・ニット商品の製造工程に関連するトラブルに対処して商品を生かすことに日々全力を尽くしています。「修整」は、そのままでは納品不可とされる「B品」をなんとか生かそうとする仕事です。
今回は、織物の三原組織についてご紹介します。
織物(テキスタイル)とは
布帛(ふはく)とも呼ばれる布地製法の一つで、基本的に経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を直線的に配列し、上下に交差させて平面にしていきます。
経糸と緯糸が交錯した状態を「組織」と呼び、一定の法則に従って組織を作り上げることでさまざま表現が可能になります。
経糸が上になるのか、緯糸が上になるのか、さらに経糸または緯糸が上になる一定間隔がどのくらいになるのか、などによって織り方が変わります。
織物の歴史は編み物よりも古く、紀元前数千年紀の織物断片が出土しています。また、古代エジプトの王墳墓の記録図などにも機織りの様子が描かれていたり、中国・ギリシャなどでも古くから陶器などに織機が描かれていたりします。
古くは手作業から始まった織物も、現在では機械化が進み、緯糸を水流や高速空気流で流して織る方法などが開発されています。
三原組織
織物は、ニット(編物)などと違い、経糸(タテイト)と緯糸(ヨコイト)を交差させて生地(布)にしています。世の中には、たくさんの織り組織が存在しますが、どれも基本の三原組織(平織、綾織、朱子織)の応用で構成されています。
平織
平織は「タフタ」とも呼ばれています。
経糸と緯糸が1本ずつ交互に交差した一番単純な組織で、最も多く使われます。裏表がなく頑丈・丈夫で、摩擦に強い組織です。
経糸と緯糸を交互に交差するため、糸の交差が多く、しっかりした生地に仕上がります。
オックスフォード・シャンブレー・キャンバスなどの種類があります。
綾織
最近では「ツイル」と呼ばれることが多くなったこの組織は、経糸と緯糸を2本ずつぬかすなどして交差させて作られます。
糸の交差する点が斜めに走るのが特徴(綾目:あやめ)で、通常の綾織は綾目が右上がりの「右綾(みぎあや)」と呼ばれ、左上がりは「左綾(ひだりあや)」と呼ばれます。
平織に比べると摩擦に弱く強度にかけますが、伸縮性に優れ、シワがよりにくいという特徴があります。また、しなやかで光沢を帯びた生地に仕上がるのも特徴です。
サージ・キャバジン・デニムなどがその代表です。
朱子織
一般的に「サテン」と呼ばれる組織で、経糸・緯糸の交差点が少なく、綾目は目立ちません。そのため美しい光沢があり、豪華な雰囲気を持ちます。
半面、交差せず浮いている距離が長いため、目ズレを起こしたり引っかかったりしやすいという欠点があります。
裏地は肌触りがよく滑らかで、着脱しやすいことからコートやジャケットなどの裏地としてよく利用されます。
また、ブランドタグや洗濯表示タグなどにも利用されます。