こんにちは。衣類修整のプロ集団、山田修整です。
わたしたち山田修整有限会社は、繊維の産地だった新潟県長岡市(旧栃尾市)で創業して57年。織物・ニット商品の製造工程に関連するトラブルに対処して商品を生かすことに日々全力を尽くしています。「修整」は、そのままでは納品不可とされる「B品」をなんとか生かそうとする仕事です。
今回は、蚕の豆知識についてご紹介します。
蚕(かいこ)の豆知識
蚕(カイコ)は蛾(ガ)の一種です。翅(はね)はありますが飛ぶことができません。
蚕は、幼虫の作る繭から絹糸を取るために飼われます。幼虫は桑などの葉を食べ、4回皮を脱いで大きくなります。その後、口から糸を出して繭を作り、その中で蛹(さなぎ)になります。
蚕は蛹になる過程で繭を作りますが、この繭から糸ができることに注目した人が品種改良を重ねた結果、飛ぶことができなくなりました。また、長らく人によって飼いならされた結果、エサである桑の葉も人が与えないと生きていけない家畜昆虫となりました。
蚕が作る繭の色は白色以外にも桑の葉の色素の影響を受け黄色やオレンジなどさまざまです。
1個の繭からは約1,500mもの長さの糸をとることができ、この糸を数本より合わせたものを生糸(きいと)と呼びます。生糸は2つのタンパク質(フィブロインとセリシン)から主に構成されており、生糸からセリシンおよび汚れを取り除くことで着物の素材としてよく知られている絹(シルク)ができます。
蚕(カイコ)の一生はとても短く、およそ2か月ほどです。 その短い期間で、卵から幼虫、さなぎ、成虫へと変わっていきます。 卵は産卵後すぐにふ化する白っぽい”非休眠卵”と次の年の春になるまでふ化しない”休眠卵”の2種類あります。