こんにちは。衣類修整のプロ集団、山田修整です。
わたしたち山田修整有限会社は、繊維の産地だった新潟県長岡市(旧栃尾市)で創業して57年。織物・ニット商品の製造工程に関連するトラブルに対処して商品を生かすことに日々全力を尽くしています。「修整」は、そのままでは納品不可とされる「B品」をなんとか生かそうとする仕事です。
今回は、天然繊維の歴史についてご紹介します。
天然繊維の歴史
近代までの繊維の世界は天然繊維の歴史でしたが、視野を世界に向け、時代をさかのぼってみると天然繊維の歴史は文明の歴史とともに始まりました。
石器時代には人々は狩猟生活を営んでいたところから、主として獣の毛皮が身をまとう素材でした。
新石器時代を経て、世界の主要文明がアフリカ大陸のナイル川流域にエジプト文明、チグリスユーフラテス河流域にメソポタミア文明が、インダス河流域にインダス文明が、そして黄河流域に中国黄河文明が成立したころには、各文明にはそれぞれに利用する繊維があったものと考えられています。
麻
麻の原産地は中央アジアから西アジアとされますが、麻布の断片がエジプトの遺跡(紀元前4200年)で確認されていることと併せて、衣料として使用が始まったのはエジプトとする説が多いようです。
綿
綿は、メキシコ、ペルー及びアジアを原産地とし、それぞれの土地で紀元前3500~2500年ごろの綿の繊維片の土出が確認されています。
絹
絹は、紀元前2640年ごろ、すでに中国に養蚕の技術があり、日本へは西暦200~207年ごろに、朝鮮を経て伝えられたとされています。西洋に伝えられたのは3世紀ごろです。
羊毛
羊毛は中央アジアを発症の地とする説が有力で、メソポタミア(バビロニア)で毛織物が巻衣として使われていたとされ、更にエジプトに伝わったとされています。
エジプトで紀元前ごろの羊毛のつづれ織り断片が土出しているという記述があり、紀元前には羊を改良し、すでに細く長い毛をもつ羊が登場したともいわれています。
天然繊維は、麻や綿などの植物繊維と絹や羊毛のような動物繊維に分けられますが、いずれも早くから人々に利用されてきました。